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「身じまい」のおと

アンチ・アンチエイジング宣言=社会部編集委員・滝野隆浩 /東京

 前回に続き「老い」について考えている。とりわけ、年を取るということに対するマイナスイメージについて。古代ローマの哲学者キケロさんが2000年も前から、「老いは楽しい」と言っているのに、現代人はいまだに「老い」を避けようと躍起になっているようだ。

 そういえば、「ご隠居」と呼ばれる人がいなくなった。何でも知っていて落語には欠かせないキャラ。時々「知ったかぶり」してギャフンとなるが、それでも長屋の住民たちからは慕われていた。長谷川町子さんが漫画で描いた「いじわるばあさん」もいなくなった。年寄りの意地悪や皮肉を受け入れる余裕が、社会になくなった。

 思い立って漢和辞典をめくったら、「老」の項の「老廃」「老朽」「老衰」などのイヤな熟語に目が行く。一方、「老後」「老人」「老境」などは、昔はたぶん憧れをもって使われたはずだが、いまではうら寂しい語感がつきまとう。

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