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論の周辺

戦前にさかのぼる集団就職

 今年も間もなく卒業と入学、そして就職のシーズンがめぐってくる。年度替わりの光景には、時代や地域の差を超えた、ある共通した要素が感じられる。別れと出会い、悲哀と期待。それは日本の戦後でいえば、高度経済成長期の「集団就職」に象徴的に見られたものかもしれない……。

 こんなふうに「集団就職」という現象は一定の年代以上の人々にとり、ほぼ自明なイメージを喚起するものと捉えられてきた。ところが、山口覚・関西学院大教授の著書『集団就職とは何であったか−−<金の卵>の時空間』(ミネルヴァ書房)を読むと、これは「明確な定義のない言葉」だし、「集合的記憶違い」さえあったことが分かる。そもそも集団就職の全体像をきちんと論じた研究は従来なかったという。

 集団就職は、この本の定義によれば「主に戦後・高度経済成長期に公的機関の諸制度によってもたらされた、新規中卒就職者を中心とした大規模な若年労働力移動現象および関連現象」である。高度経済成長とは一般に1955〜73年の間、日本で起こった急激な経済成長を指している。

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