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余録

動物園の鳥の大量死が凶兆だった…

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 動物園の鳥の大量死が凶(きょう)兆(ちょう)だった1999年のニューヨークでの西ナイル熱流行である。だが2人の患者が出た時にはセントルイス脳炎と診断された。西ナイルウイルスの確認は1カ月後だった▲「もし米国でひづめの音が聞こえたら馬を想像するだろう。誰もシマウマとは思わなかった」。米疾病対策センターの部長はこう釈明したという。蚊が媒介(ばいかい)するこの熱帯由来のウイルスは米国でも越冬し、3年後には全米40州で爆発的な流行を引き起こすことになる▲と聞けば、一昨年の日本でのデング熱を思い出す方も多かろう。こちらも蚊が媒介した感染拡大だったが、今や世界のどこでもシマウマの足音を聞き分けねばならない世である。そして今度はデング熱と同種の蚊が媒介するジカ熱が五輪開催をも脅かす事態となった▲ジカ熱はアフリカで発見されたウイルスの感染症で、発熱や発疹などの症状は軽いとされる。しかし中南米での流行によって妊婦の感染と脳の発達が不十分な小(しょう)頭(とう)症(しょう)の子どもの出生との関連が指摘され、先日は世界保健機関が緊急事態を宣言して対応策を呼びかけた▲宣言によれば、感染者は最大400万人に達する恐れがあるという。まずは日本でも中南米の流行地域への渡航に注意すべきだが、デング熱の経験をふまえて国内での感染拡大という可能性にも備えねばなるまい。今のうちに蚊を封じる策はおさらいしておきたい▲ネッタイシマカともどもジカ熱を媒介するヒトスジシマカが米大陸で広がったのは日本からの古タイヤにたまった水のせいといわれる。シマウマ、いやシマカもウイルスも世界に広げる人間の業(ごう)だ。

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