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松本俊彦のこころと向き合う

/11 「やめ方を教えてくれ」

 約20年前、私は不本意な人事で薬物依存症の専門病院に赴任した。当初の私は、半泣き顔で診療していたに違いない。どうやって治療したらよいのか見当がつかなかったからだ。何しろ「覚醒剤を嫌いにする薬剤」など存在しない。私にできるのは、薬物の害を懇々と説教することだけだった。

 だが、患者の多くは説教に閉口して通院をやめるか、さもなければ「別に死んでもいいさ」「俺は太く短く生きるからいい」と居直るだけだった。いら立った私は認知症患者の脳画像を示し「覚醒剤を長年使ってきた人の萎縮した脳だ」と詐欺同然の説明までしたが、誰も薬物を断てなかった。

 ある日、私は手厳しい洗礼を受けた。覚醒剤依存症の男性患者が口角泡飛ばして説教する私を遮り、こうすごんだのだ。

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