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漫画で解説

化血研が業務停止の巻

国の承認書と異なる方法で血液製剤を製造 不正40年も

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マキは献血をしました。彼女の善意を必要としている人に無事届けば良いですね。しかし…。 血液製剤を巡って、化血研(化学及び血清療法研究所)が不正をしていたことが分かり、業務停止命令が出されました。化血研は、1945年熊本市に設立された一般財団法人の薬品メーカーで、1月18日から110日間の業務停止が命じられました。 業務停止の対象は、血液製剤など35製品のうち8製品で、残りの27製品は代替品が無く、患者に影響が出るとして出荷が認められました。 そもそも、血液製剤とは何なのでしょうか。
血液製剤とは、人の血液または血液から得られたものを有効成分とする医薬品です。 献血で得られる血液は、血漿(けっしょう)が55%、血球が45%です。血漿と血球の両方から輸血用血液製剤が作られ、手術や大けがの際に使用されます。 一方、血漿からは「血漿分画製剤」が作られ、血友病、やけど、出血によるショック、感染症の予防などに使用されます。 しかし、業務停止が課されるほど、化血研は何をしたのでしょうか。 実は1974年ごろから、国が未承認の方法で血液製剤の製造を続けていました。40年も前から、よく今までバレなかったものです。 95年ごろからは虚偽の製造記録を作成し始め、97年ごろから隠蔽(いんぺい)工作が本格化しました。 不正記録を区別するため文字の書体が異なる2種類の製造記録を作成したり、偽造記録のうち不正を記録したページを抜き取ったり、筆跡が似ている職員にサインさせ、過去の記録を書き換えたりなどの不正を繰り返していたのです。
化血研の関連年表をまとめました。 1945年 化血研設立   66年 血液製剤の製造が始まる   74年 国の承認と異なる製造が始まる   89年 薬害エイズ問題で提訴され被告企業に   95年 一部部署で虚偽の製造記録を作成開始   96年3月 薬害エイズ訴訟で和解       9月 常任理事会に不正報告も対応せず 2015年5月 国の立ち入り検査で不正発覚      12月 宮本誠二理事長が「化血研の風土として積極的に対応できなかった」と謝罪          公安委員会へ無届けでボツリヌス毒素を運搬   16年1月 厚生労働省が110日間の業務停止命令 では、世間を騒がせた薬害エイズ問題とは何でしょう。 ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の混入した非加熱輸入血液製剤を患者が投与された事件です。1400人以上がエイズに感染・発症し、600人以上が亡くなりました。 化血研は薬害エイズ問題後、血液製剤を国内生産分でまかなう方針を立て、開発・製造を急いだのです。だからと言って、不正は決して許されることではありません。 では、今回の業務停止で、医療現場では影響が出ているのではないでしょうか。出荷の差し止めや自粛でワクチンの在庫不足が懸念されます。
供給量の不足が見込まれる製品は、日本脳炎、A型肝炎、B型肝炎です。 日本脳炎は化血研のシェア36%、対象は3~4歳で3回、9歳で1回接種です。 A型肝炎は化血研のシェア100%、対象は主に海外渡航者です。 B型肝炎は化血研のシェア80%、対象は出産直後の新生児です。 しかし、接種の予約を中止する病院が増えています。2016年1月31日から安全性を確保できたとして、A型とB型肝炎ワクチンの出荷再開を認めましたが、「化血研のワクチンは接種したくない」と言う人もいます。 しかし、必要としている人には安全なワクチンが届いてほしいものです。 カゲマルも献血を決意しました。マキに説明しているうち、出前の途中だったことを忘れたようですが…。

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