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社説

社会保障費の偏り 若者が声を上げる番だ

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 若い世代の社会保障費が極端に少ないのが日本の特徴だ。人口減少を食い止め、持続可能な社会にするためには「支える側」を拡充する必要がある。

 自民党は長期的な社会保障制度などを検討する「2020年以降の経済財政構想小委員会」を設置し、事務局長に34歳の小泉進次郎氏を就けた。選挙権年齢が「18歳以上」となる夏の参院選に向けた若い有権者へのアピールではあろう。しかし、とかく高齢者受けする公約が目立っていたのが従来の選挙だ。各党には現役世代の暮らしを安定させる政策を競い合ってほしい。

 日本の社会保障の給付費は年金と医療で約8割を占める。医療費のうち65歳以上が全体の58%を占め、現役世代とは1人当たりで4倍の開きがある。子育てや職業訓練・紹介などが充実し、現役世代と高齢者の給付費が均衡しているスウェーデンなどの北欧諸国とは雲泥の差だ。

 日本の高齢化は世界で最も進んでおり、高齢者向け経費がある程度かさむのはやむを得ないとしても、若者への支出は少な過ぎる。

 背景には、若年層の雇用が比較的安定し、知識やスキルが乏しい新卒者を企業が一括採用して人材育成も担ってきた日本独特の雇用慣行がある。正社員は年齢とともに賃金が上がり、家族の生活給も含めた賃金を得られたため、妻が家庭内で専業主婦として保育や介護を担ってきた。政府は、人々が生活基盤を失う定年退職後に備えて、年金など老後の社会保障を優先的に拡充してきた。

 ところが、現在は低賃金の非正規雇用が4割を占め、共働き世帯が専業主婦世帯より多くなった。さらに現政権は「1億総活躍社会」で女性の就労を促す政策を進めている。非正規社員の待遇改善やひとり親家庭への支援、保育の拡充などが不可欠となっているのだ。

 財政規律を守り、社会保障費全体を抑制する中で若い世代に予算を投入するには、働き続けられる人への年金支給を遅らせ、経済的に余裕のある高齢者の医療や介護の自己負担を引き上げるなどの政策が必要だ。

 これまで政府は高齢者に厳しい政策を検討はしてきたが、実行は後回しにされることが多かった。高齢者の方が若者より投票率がはるかに高いうえ、高齢化の進展で年々高齢者の数が増えていくため、選挙のたびに高齢者に歓迎される公約が掲げられてきたためだ。

 「2020年以降」に高齢化は急な上り坂を迎えるが、さらにその後は加速度的な人口減少が予想されている。そのころ老後を迎える今の若い世代こそが自らの問題として偏りを正すよう声を上げるべきだ。

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