メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

今週の本棚

斎藤環・評 『性のタブーのない日本』=橋本治・著

 (集英社新書・842円)

エロスの匂いに惹かれ、本質に無関心

 日本人は色好みか? この問いの答えはイエスでありノーだ。たとえば日本のメディア空間はきわめて「性的」である。人は死ぬまで性交渉をすべきであると煽(あお)る週刊誌広告が三大紙に掲載される。隣には性的機能を高めるサプリメントの広告。欧米の一流紙ではあまり見かけない光景だ。しかしその一方で、若者の婚姻率や性交渉経験率は年々低下しているという。セックスレスなる現象も、日本に特有とされている。性犯罪率は国際的にも最低水準で、それは結構なことなのだが、電車での痴漢被害は異常に多い。

 橋本治による本書は、こうした謎に明快な答えを与えてくれるわけではない。橋本は日本文学の古典をひもときながら、日本人の性意識がいかに特異なものであるかをユーモラスに論じている。その特徴をひとことで言えば(帯にもある通り)「タブーはないが、『モラル』はある」ということになる。

この記事は有料記事です。

残り1027文字(全文1432文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 安倍氏の地元も「答弁、何だったのか」 「桜を見る会」補塡に疑問の声

  2. 「ホテルの明細書あれば1000万%アウト」 桜前夜祭の野党ヒアリング詳報

  3. 捜査員に知らされた姉の犠牲 「まさか路上生活とは」「理不尽」渋谷傷害致死

  4. 事実と違う答弁を繰り返した安倍氏…「桜を見る会」前夜祭 立件可否焦点に

  5. 要請応じない/もう諦めるしか 大阪「時短」、反発や落胆 忘年会シーズン直撃 

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです