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詩歌の森へ

俳句と哲学の知見=酒井佐忠

 今年の俳人協会賞は、柏原眠雨の句集『夕雲雀』(角川書店)に決まった。柏原は、1935年生まれ、俳誌「きたごち」主宰の大ベテランである。沢木欣一に師事し、「俳句はモノに即し、即物具象の象徴詩である」という一貫した考えで句作をつづける。その一方で、哲学者としても知られ、東北大名誉教授である。現在は仙台市在住。モノを見る深い知見にもとづいた俳句表現が、地味ながらいぶし銀のような俳句の輝きを与えてくれる。

 <町ひとつ津波に失せて白日傘><町失せて星の増えゆく年の暮><津波禍の浜辺に獅子の舞激し>。ここではあえて、大震災と原発事故から5年となる災禍の句を挙げた。言葉に生きる俳人、思索に生きる哲学者として5年を経ても、看過できない問題である。「仮設住宅へ移っての生活者は四年半経てなおまだまだ多く(略)、福島第一原発の事故処理も進展を見ず、周辺の住民の帰還のままならぬままに、汚染地は荒廃を深めるばかりで…

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