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今週の本棚

持田叙子・評 『獅子吼』=浅田次郎・著

 (文藝春秋・1512円)

冷徹な歴史の波を切なく実感させる

 華があって、なみだがあって、生きる知恵がある。それで異なる境涯に必死で立つ多くの読者を魅了し、沸かせる。力づける。

 浅田次郎の小説には、かつて文学が人々の娯楽の王者だった頃の、ぜいたくで豊満な香りがただよう。

 古きよき人情ものの伝統と、歴史をみつめる鋭い眼が稀有(けう)に共存する。その点で、吉川英治や山本周五郎、司馬遼太郎らの後を継ぐ現在無双の書き手といえよう。

 本書は短篇集。六篇いずれも近過去もの。太平洋戦争、高度経済成長期、大学紛争期。私たちに近くて遠い過…

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