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不知火のほとりで

石牟礼道子の世界/42 奉納

 <日曜カルチャー>

受難の記憶、海底の業火

 石牟礼道子さんの新作能「不知火」の初演は2002年7月14日、東京宝生能楽堂。追加公演を同7月18日、国立能楽堂。翌03年10月28日に熊本市で上演。04年8月28日に水俣湾で野外上演をした。

 水俣の公演は「奉納」という形で行われた。自身も水俣病患者である漁師の緒方正人さんが奉納する会代表を務めた。近代的思考に慣れた人は「奉納」に抵抗を覚えるかもしれないが、「奉納」という上演スタイルは実は「お能の一番中心」(詩人の大岡信)だという。緒方さんは「いまなぜ奉納か」という講演をしている。<新作能「不知火」で私が一番気に入っているのは水俣病の「み」の字も出て来ない、チッソの名前も出て来ない、加害も被害も患者も、そういう言葉が一切出て来ない。そこがもの凄(すご)く気に入っています>

 緒方さんは、かつて未認定患者救済運動の先頭に立ったのだった。チッソや行政と激しくやり合ったが、やが…

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