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詩歌の森へ

短歌批評と「他者」=酒井佐忠

 短歌の批評について、世代間での価値観の違いや、小さな自己の思いや感覚にこだわるために、閉そく感におおわれていると指摘されて久しい。そんな中で、ていねいな作品の読みから、柔軟に他者へのまなざしを注ぐことの重要性を説く、吉川宏志の『読みと他者・短歌時評集二〇〇九−二〇一四年』(いりの舎)は、新たな短歌批評を提示する貴重な一巻だ。

 もともと批評とは、作品と「他者」の関係を問うものではないか。共同通信配信の時評「短歌はいま」を中心に、さまざまな論が展開されるのだが、著者が作品を通していかに「他者」に寄り添うか、その姿勢を強く求めているのは、一貫している。この間、短歌は、東日本大震災や原発事故、さらに戦後七十年という大きな社会問題を抱え込んだ。短歌は、あるべき言葉と批評を求めて大きな波に揺られ、もがいた。

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