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<マイナンバー>電子政府化へ、個人番号公開を 先進国のエストニアは

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 国内に住む全ての人に12桁の番号を割り振り、さまざまな個人情報を一元管理するマイナンバー制度が始まった。この分野の先進国として、欧州のエストニアがよく引き合いに出される。過去にエストニア政府の省幹部を務め、1月末に「未来型国家エストニアの挑戦 電子政府がひらく世界」(共著)を日本語で出版したラウル・アリキビさん(36)に、マイナンバー制度をどう考えたらいいか聞いた。【聞き手・日下部聡、写真も】

     −−日本のマイナンバー制度をどう思いますか。

     ◆電子政府化の第一歩として、いいことだと思います。ただ、どうも理解できないのは、マイナンバーを他人にむやみに教えてはいけないとしているところです。エストニアの国民ID番号は「デジタルネーム」とも呼ばれていて、名前と同じく特に秘密にするものではありません。

     −−なぜ電子政府はいいのですか。

     ◆例えば、エストニアでは税の申告や還付は5分以内でできます。会社の登記は数十分で済むので起業も簡単です。診療記録が統合されているので、旅先の病院でも適切な治療が受けられます。市民生活の向上や経済成長につながるのです。

     −−セキュリティー面の不安はないのでしょうか。

     ◆IDカードに入っているのは氏名やID番号など最小限のデータだけです。PINコード(暗証番号)を知られなければ、カードを落としても個人情報漏えいの心配はありません。データベース間の情報交換は全て暗号化され、改ざんされていないことを証明する電子署名も施されています。これまで特に大きなトラブルはありません。

     −−日本では「政府による国民監視が強まる」と心配する人もいます。

     ◆エストニアでは情報公開が進んでいるため、そういう心配をする人はほとんどいません。政府の文書は基本的にインターネット上で公開され、国民は自分の個人情報に対するアクセス記録を自分で確認することができます。政府内のチェック機関もあります。おかしなことをすれば、いつかは、ばれる仕組みなのです。

     −−日本の制度をどうしたらいいと思いますか。

     ◆個人番号を秘密扱いしていては、うまくいかないと思います。番号は必ず漏れます。漏れた人々の多くが、実害はなくても番号変更を申請し始めるでしょう。そうなるとシステム全体が混乱し、人々の不安にも拍車がかかります。番号は公開情報として扱うべきです。システムの透明性を確保することも重要です。


     ■人物略歴

    Raul Allikivi

     1979年エストニア生まれ。同国のタルトゥ大卒業後、早稲田大で修士課程を修了。エストニア経済通信省局次長として情報通信政策を担当後、2012年に独立。経営コンサルタントとして活動する一方、日本の地ビールを欧州に輸出する会社も設立。日本人女性と結婚し、両国を行き来している。

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