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論説の目

安全保障 強固な論陣を=布施広

北朝鮮の弾道ミサイルとみられるロケット=2月7日、朝鮮中央通信・朝鮮通信

 米国のライス元国務長官は在任時(2005〜09年)、日本人との相性に悩んだそうだ。北朝鮮の核問題に懸命に取り組む彼女を、日本人は「拉致問題に熱心でない」と見た。日本人は拉致に重点を置くあまり、北朝鮮核問題をめぐる「6カ国協議の失敗を望んでいるように思えてきた」と自伝に書いている。

 思いつめた感じが痛々しいが、世界の命運にかかわる核問題をもっと重大に考えようと言いたいのだろう。当否はともかく米側からよく聞いた声だ。かつては、である。

 先月訪日した米国のシャーマン前国務次官はどうか。彼女は行方不明米兵(MIA)問題と拉致問題の「ある種の類似性」に触れた後で「米国が原爆を落とした日本は核兵器の犠牲者であり、かつ核拡散防止に努めてきた。歴史的に核の恐ろしさを知っている」と私に語った。核の脅威は日本人には自明だから拉致問題を重視する傾向が生じると言いたいようだ。興味深い意見である。

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