文化庁など政府機関の地方移転が検討されている。その背景には、「東京一極集中の是正」がある。わが国では戦後の高度成長期以降、バブル崩壊期を除けば一貫して東京圏への人口流入が続いている。昨年の国勢調査結果をみると39道府県で人口が減る一方、東京圏への集中は加速している。その弊害は多方面に及ぶが、近い将来首都直下地震で国家機能がまひする恐れさえある。
そこで企業に本社の地方移転を働きかけることとし、その先駆けとして、まず政府機関を地方に移転しようというのだ。検討対象の省庁で移転に前向きな大臣もいるが、概して官僚たちの抵抗が強い。筆者も官僚OBで彼らの意識に多少通じているが、そこでは、今もなお根強い中央至上主義がある。東京で国会対策や各省庁との調整業務を行うことが最も大事だという根強い信仰だ。
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