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東日本大震災で発生した液状化の対策が進んでいない。最も深刻な被害を受けた千葉県や茨城県でも、負担金の高さや対策の必要性に対する認識の違いなどから住民合意を得るのは難しい状況だ。南海トラフ巨大地震でも34都府県で被害が起きると想定されており、専門家は「全国で対策を進める必要がある」と指摘している。
市域の4分の3が埋め立て地で、東日本大震災による液状化被害が最も深刻だった千葉県浦安市。8割超の約1455ヘクタールで液状化し、住宅被害は8700棟。「震災後、5000万円以上をかけて家を新築し、地盤改良もした。もう工事をしてほしくない」。震災当時、自宅が約30センチ沈み傾いたという男性(68)は対策工事に反対する思いを口にした。
同市は、国土交通省が示す二つの工法のうち、宅地の境界にセメント系固定剤を地中深く流し込み、碁盤の目のように壁を作る「格子状地中壁工法」を採用した。市は1世帯最大100万円を補助するが、最大で400万円以上の自己負担が発生する。着工には、制度上「3分の2以上」の同意で足りるが、壁が「虫食い」になると効果が薄れるため、実質的には全戸の同意が必要となる。
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