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不知火のほとりで

石牟礼道子の世界/43 食卓

 <日曜カルチャー>

入魂、煮染めの旨み

 食べることには憂愁が伴う−−。食の随筆『食べごしらえ おままごと』を例に挙げるまでもなく、石牟礼道子さんと食は切り離せない。<早春の気配がすればもう、わたしは野に出ずにはおられない>。日々書き留める文字が呼びよせるかのように豊かな食が周辺に集まる。

 2014年早春、私は石牟礼さんの入院先を訪れた。石牟礼さんは横になっている。パーキンソン病の薬の調整が行われ、身体不如意の日が続く。ベッド脇の鮮やかな色彩が目に留まる。食欲のない石牟礼さんのために、彼女のリクエストに応えて介護の女性が作った弁当である。

 中身は−−。球磨川の河口でとれた青のりをまぶしたおにぎり。大好物のカボチャの煮物。ビーフン。青のり…

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