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平松 洋子・評『一瞬の雲の切れ間に』砂田麻美・著

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映画と小説に通底する砂田麻美の視線

◆『一瞬の雲の切れ間に』砂田麻美・著(ポプラ社/税抜き1400円)

 すばらしい小説に出合ったときは、小説のなかに流れている時間を手放したくなくて、読み終わったあとの時間が長く続く。それが余韻というものなのだろうけれど、冷静な言葉をあてがうと何かが違ってしまう。皮膚のすぐ下がざわめいて、いつまでもふつふつと泡立っている実感をずっと掴(つか)んでいたくなる。

 『一瞬の雲の切れ間に』を読み終わったときも、そこからあとが長かった。今も、涙が溢(あふ)れて止まらなくなった気持ちのままでいる。

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