<金融経済最前線 岡村聡の金融経済見・聞・録>
前回、米国の利上げについて取り上げましたが、今回は日本のマイナス金利導入について紹介します。ほんの5年前まで金利がプラスであることはわざわざ言及するまでもなく当たり前のものとされていました。
それがリーマン・ショック後の景気回復を促すために、主要国のほとんどでゼロ金利が採用され、さらに2011年以降の欧州危機、さらには15年7月以降のチャイナショックなど、グローバルに影響がある大規模なリスクイベントが頻発したため、ゼロ金利に加えて量的緩和も主要国の多くで行われました。前回に紹介したように、米国では3度にわたる量的緩和の効果もあり、景気が緩やかながらも回復基調となったため、主要先進国の中でいち早くゼロ金利から脱しましたが、日本も欧州も、量的緩和でも一向に景気は上向かず、ついに政策金利をマイナスにするマイナス金利が導入されました。
銀行が日銀に預けている中で法定以上の資金には0・1%のマイナス金利を課すことで、銀行がとりあえず使い道のない資金を日銀に預けて金利を稼ぐことを防ぎ、何とか使途を見つけるように促すというのがマイナス金利導入の狙いです。
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