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不知火のほとりで

石牟礼道子の世界/44 祈り

 <日曜カルチャー>

草の声、耳澄ませて

 今年も3月11日が来た。石牟礼道子さんは89歳になった。「もしもーし」。米国・カリフォルニア州在住の詩人、伊藤比呂美さんからお祝いの電話がかかる。「今年も5月の連休、おじゃまします。お顔を見に行きますよ」と伊藤さんの変わらぬ張りのある声が受話器から響いてくる。

 「あら、楽しみですね。田舎料理をご馳走(ちそう)しますよ」と石牟礼さんが応じる。昨夏、伊藤さんとエッセイストの平松洋子さんを得意の煮染(にし)めでもてなした。<干瓢できちんと巻いた昆布、身の厚いじゃこ、どれも不思議なほど艶々に光っている……この深いこく。何でしょう、しょう油やじゃこのうまみだけとは思えない>と平松さんは書いている。食専門のライターだけあって、観察がこまかい。

 伊藤さんからは誕生日に欠かさず電話がくる。昨年と一昨年は病院で受けた。一昨年は一時的に衰弱し、相づ…

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