選抜高校野球
託した腕輪、師弟の信頼強く 智弁学園
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第88回のセンバツで初めて甲子園の頂点に立った智弁学園(奈良)。監督がけがに悩む主将を励まし、飛躍させた。敗れた高松商(香川)も監督と部員らが「野球ノート」を交わし、悩みや課題を解決した。師弟の信頼関係を基に、球児たちは全力を出し切った。
智弁学園の捕手、岡沢智基主将(3年)は、小坂将商(まさあき)監督(38)から渡されたブレスレットをお守りにして全試合にフル出場した。1995年夏の甲子園で4強の壁に阻まれた小坂監督が、けがに悩む岡沢主将に「きっと守ってくれる」との思いを込めて渡した。岡沢主将は5試合完投のエース、村上頌樹(しょうき)投手(3年)を強気でリード。「監督に日本一へ導いていただいた」との思いで優勝旗を受け取った。
岡沢主将は中学時代、軟式野球部でプレー。死球を受けても硬式よりけがが少なく、「当たる癖」がついたという。昨秋の奈良県予選準々決勝では、村上投手の投球が当たって右肩の骨にひびが入った。その後も、右膝の半月板損傷、右足捻挫など、昨秋から5回以上もけがに悩まされた。冬場に仲間が厳しい練習に耐えていた時も隅で見ているだけ。「主将なのに何もできず、もどかしかった」
監督と交わす「野球ノート」に小坂監督が昨年末、「絶対男にしてやる。我慢して頑張れ」と書いた。「日本一の監督にしたい」と心に誓った。
3月中旬に学校であったセンバツの壮行会の前、舞台横で待っていると、紫色の石を連ねたブレスレットを渡された。4強入りした95年夏に主将だった小坂監督が、高校3年の時に韓国での親善試合の際に買ったという。現役時代はずっと腕にはめていたと聞かされた。「形だけかもしれんが、お前を守ってくれる。右手につけろ」と励まされた。感動して叫びそうになった。
大会中は、後ろのポケットに入れた。高松商との決勝でもピンチになるとブレスレットに触れた。「リードにあまり自信はない。触ることで落ち着ける」と話す。村上投手と組んだバッテリーは今大会、わずか3失点。大会中、大きなけがもしなかった。
優勝旗を受け取った岡沢主将は「とても重かった。苦労は無駄ではなかった」と泥だらけの顔で笑った。【日向梓、黄在龍】
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