河童伝説

神格化のルーツたどる 青森

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五所川原市やつがる市の路上には、水虎様をまつった祠が点在する=2016年3月19日午前11時ごろ、篠田航一撮影
五所川原市やつがる市の路上には、水虎様をまつった祠が点在する=2016年3月19日午前11時ごろ、篠田航一撮影

 青森県つがる市や五所川原市の一帯では、道端や水辺に小さな祠(ほこら)が点在しているのをよく見かける。祭られているのは「水虎(すいこ)様」。実はこれ、河童(かっぱ)を神格化したものらしい。なぜ妖怪がここでは信仰対象の神になったのか? 現地を歩いてみた。【篠田航一】

 春先の雪解け水で、川の水位も上がった津軽平野。旧稲垣村(現つがる市)出身で、県史編さん専門委員も務めた「青森文芸出版」元代表の佐々木達司さん(83)の案内で祠を回った。高さ1メートル前後の赤い祠の中に、河童らしき石造りの座像などが安置されている。場所はほとんど川や用水路の近くだ。正確な数は不明だが旧稲垣村教育委員会が1995年に発行した「稲垣村民俗信仰調査報告書」によると、同村内だけでも当時各集落ごとにこうした祠などが計17カ所あった。

 江戸時代、津軽平野の岩木川流域では湿地を開拓した新田開発が進み、水路も各地に掘られた。このため子供の水難事故も相次ぎ、これが当時は河童の仕業とされた。そこで明治初期ごろ日蓮宗実相寺(つがる市木造)の当時の住職が祈願し、河童を鎮めようと奉じたのが始まりとされる。「これが水虎様です」。実相寺の間宮秀文副住職が本堂に安置された水虎様像を示してくれた。「通常、河童は緑色のイメージがありますが、この水虎様…

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