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論の周辺

「未知の世界」が始まった80年代

 1980年代を論じた本が目に付くようになった。四半世紀以上が経過し、一定の距離を置いて見られるようになったからだろう。ただ、前後の時代と比べると、80年代のイメージはもう一つはっきりしないようだ。70年代と90年代に挟まれたこの時期には、ある意味で明治と昭和に挟まれた大正時代と似たところがあるかもしれない。

 その名もずばり『1980年代』(河出ブックス)は、四つの鼎談(ていだん)とさまざまなジャンルの論考・コラムで構成している。編者は文芸評論家の斎藤美奈子さんと歴史家の成田龍一さん。二人が著名な作家らをゲストに迎えた鼎談の一つで、社会学者の大澤真幸さんはこう語っている。

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