<kin−gon>
イラク出身の女性建築家ザハ・ハディド氏が先月31日、入院していた米マイアミの病院で心臓まひのため死去した。65歳だった。女性初のプリツカー賞など数々の受賞歴をもち、世界の建築界に刺激を与え続けた強烈な個性の持ち主だった。
日本で彼女が一躍注目されたのは、新国立競技場案にそのデザインが採用されながら白紙撤回された騒ぎでだったが、私は「イラク出身の女性建築家」という点に関心があった。アーティストに出身国や性別は関係ないと言えばそれまでだが、不安定な国情の中で育った女性のイスラム教徒が、どのように世界的な建築家になったか、だ。
ハディド氏は1950年、バグダッドの裕福な家庭に生まれた。父は実業家で、自由主義的な政党の幹部だった。当時、イラクは親米欧の王制で、彼女はバグダッドでフランスのカトリック教会が運営するフランス語学校で学んだ。キリスト教やユダヤ教の児童も一緒に学んでいた。
この記事は有料記事です。
残り605文字(全文1007文字)
毎時01分更新
米国第一主義で世界と米社会を揺るがしたトランプ米大統領が2…
欧州連合(EU)が、新型コロナウイルスのワクチン接種証明を…
毎日新聞と社会調査研究センターが1月16日に実施した全国世…