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社説

衆院「0増6減」 場当たり策には反対だ

 「1票の格差」是正を目指す衆院の選挙制度改革で、小選挙区を当面「0増6減」する自民党案が今国会で成立する公算が大きくなった。だが、自民案は党内事情を優先し、実際には大島理森議長の諮問機関が答申したアダムズ方式の導入を2020年以降に先送りするものだ。場当たり的な策には賛成できない。

     自民案はこんな内容だ。15年の国勢調査に基づきアダムズ方式で計算した場合に削減対象となる15県のうち、1票あたりの人口が少ない順に6県の選挙区を1ずつ減らす。同時に比例代表も4比例ブロックでそれぞれ1減し、定数10削減の政治的な約束を果たす−−。

     自民党はアダムズ方式を部分的に採用していると言いたいようだが、その説明には無理がある。関係議員の反発を少なくするため大幅削減は避けたいという以外に「6減」にとどめる理由は考えられないからだ。

     しかも、20年の国勢調査後にアダムズ方式を導入するといっても、実際の衆院選に適用されるのは22年以降となる見通しだ。その間、衆院選は何回あるか分からない。自民党は関連法の改正案に20年以降の導入を記すというが、政治状況が変われば再改正してさらなる先送りもできなくはない。

     それにもかかわらず、アダムズ方式の先送りに当初、強く反対していた公明党が自民案の容認に転じたのも理解に苦しむ。

     自民、公明両党は与党単独でも関連法案を今国会で成立させる構えだ。数のうえでは確かに可能だろう。しかし、議員の選び方の基本となる選挙制度の改革は、少なくとも与党と主要野党が合意したうえで実現させるべきである。

     与党内では夏の参院選に合わせて衆院選を行う同日選論がしきりと語られている。仮に自民案が今国会で成立しても、「0増6減」策は夏の選挙には間に合わない。

     安倍晋三首相や与党は「法改正で改革の道筋さえつけておけば、裁判所は違憲判決を出さないだろう」とたかをくくっているようだ。そこには同日選ができる環境を整えておきたい思惑もちらつく。司法軽視、憲法軽視の姿勢の表れでもある。

     一方、民進党案は10年の国勢調査に基づきアダムズ方式を直ちに導入し、小選挙区で「7増13減」、比例代表で「1増5減」する内容だ。文字通り、答申を尊重したもので、国民にも分かりやすい。

     大島議長は一本化調整は困難だと判断し、自民、民進両党の案を国会にそれぞれ提出し、審議するよう求めた。今からでも遅くない。自民、公明両党は方針を改め、民進案に一本化した方がいい。

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