- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

【東京春祭ワーグナー・シリーズvol.7「ニーベルングの指環(リング)」第2夜 楽劇「ジークフリート」全3幕演奏会形式上演 初日終了】
東京・春・音楽祭のメーン企画であるワーグナーの舞台作品を演奏会形式で取り上げる「東京春祭ワーグナー・シリーズ」の第7弾、楽劇「ジークフリート」(全3幕、日本語字幕・映像付き)が7日、東京文化会館で上演された。
同シリーズでは2014年から楽劇4部作からなる「ニーベルングの指環(リング)」をマレク・ヤノフスキ指揮NHK交響楽団の演奏で毎年1作ずつ上演し、好評を博している。とりわけ今年はワーグナー作品上演の総本山といわれるドイツ・バイロイト音楽祭でヤノフスキが「リング」の指揮を担当するとあって、各方面から注目を集めるステージとなった。このためか客席には、イオアン・ホーレンダー前ウィーン国立歌劇場総裁やワーグナーを得意とするオーストリアのテノール歌手、アドリアン・エレートらオペラ界の大物たちが姿を見せていた。
ヤノフスキはオーケストラを細やかにコントロールしながら、速めのテンポ設定とバランスを重視した音作りでライトモティーフ(示導動機)を明快に浮かび上がらせるなどして、多くの人に分かりやすく、聴きやすい「ジークフリート」に仕上げていた。一昨年、昨年に続いて今年もウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の第1コンサートマスター、ライナー・キュッヒルがゲスト・コンマスを務め、高い集中力と確信に満ちた弓さばきでオーケストラ全体を巧みにリードし、上演を成功に導いていたのが強く印象に残った。
さらに第2幕、ジークフリートの角笛のソロをノーミスで見事に吹ききったホルンの福川伸陽に対しても、幕間のロビーのあちらこちらで賞賛の声があがっていた。
若々しく伸びのある歌唱を披露した題名役のアンドレアス・シャーガー、バイロイトでも高い評価を得ているミーメ役のゲルハルト・ジーゲルら歌手陣のコンディションも申し分なく終演後、客席からは万雷の喝采が送られていた。10日午後3時から同じく東京文化会館で2回目の公演が行われる。
◇
今回の「ジークフリート」のステージについては、改めて「アンコール」のコーナーで詳報します。

公演データ
【東京春祭ワーグナー・シリーズvol.7「ニーベルングの指環(リング)」第2夜 楽劇「ジークフリート」全3幕演奏会形式上演 日本語字幕・映像付き】
4月7日(木)15:00/10(日)15:00 東京文化会館大ホール
指揮:マレク・ヤノフスキ
ジークフリート:アンドレアス・シャーガー
ブリュンヒルデ:エリカ・ズンネガルド
さすらい人:エギルス・シリンス
ミーメ:ゲルハルト・ジーゲル
アルベリヒ:トマス・コニエチュニー
ファーフナー:シム・インスン
エルダ:ヴィーブケ・レームクール
森の鳥:清水理恵
管弦楽:NHK交響楽団(ゲストコンサートマスター:ライナー・キュッヒル)
音楽コーチ:トーマス・ラウスマン
映像:田尾下 哲
