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日本ワタシ遺産

登録No.02 東京湾観音(千葉県富津市)=写真・文 半田カメラ

写真・半田カメラ

これは、大仏写真家である半田カメラが、「一般的に知名度は低いが素晴らしい!」という国内の異空間スポットを、勝手に「日本ワタシ遺産」に登録、紹介する、とても個人的で偏った企画です。

    写真・半田カメラ

    内部で迷子になれる国内唯一の巨大仏像

    それは私が大仏写真家として開眼する前、まだ今よりずいぶん普通の旅をしていた頃、富津岬の突端の展望台から、何気なく景色を眺めていた時のことです。

    海を挟んだ向こう側の高台に、白く大きな人型のものを発見したのです。「あ、あれはナニ??」と激しく興味を引かれた私は、すぐさまその人型の何ものかを目指して車を走らせたのでした。

    それが、東京湾を一望する高台から人々を優しげなまなざしで見守る、高さ56㍍の巨大な観音像、東京湾観音との初めての出合いでした。

    写真・半田カメラ

    私はこの時まで全く知りませんでしたが、観音さまは昭和36年より、ずっとこの地で平和を祈ってほほ笑みつづけていたのです。

    写真・半田カメラ

    現代の円空とも言われた彫刻家、長谷川昂(はせがわ・こう)氏が原型を作った、ほんわかと優しく美しい外観は、一瞬で私を虜(とりこ)にしてしまったわけですが、東京湾観音の魅力はその外観だけではありません。実はそこから一歩踏み込まないと分からない「面白さ」があるのです。

    写真・半田カメラ

    下から観音さまを見上げていると、あることに気付きます。な、なんと珠を抱えた観音さまの左腕の上に人が乗っていて、こちらに手を振っているではありませんか!

    写真・半田カメラ

    一歩踏み込まなければ分からない、東京湾観音の魅力とは、この屋外型展望に代表される、奇想天外で迷宮のような内部構造にあります。

    東京湾観音は私が知る限り、内部で迷子になれる国内唯一の巨大仏像なのです。ではその迷宮をさまようべく、観音さまの後側の入り口より、胎内へとまいりましょう。

    観音さまの後側は、表側の柔和な感じとは対照的に、異様なほどに無数の穴が開いています。胎内を登って行きながら随時小窓から高さを確認できるのです。

    写真・半田カメラ

    胎内は中央に1本太い柱があり、その周りをらせん階段でのぼっていくという、オーソドックスなスタイルなのですが、観音さまの腕のあたりである13階まで来ると、急に横穴が出現し、複雑怪奇な迷宮の様相を呈してきます。

    その横穴を進んで行くと、急に視界が明るくなり……突然の屋外!そうです、先程下から見た観音さまの左腕の部分の展望に出るのです。観音さまの指と宝珠が目前に!なんたる迫力!!

    写真・半田カメラ

    牛久大仏に代表される近年に造られた巨大仏のほとんどは、登れて胸のあたりまで。それが東京湾観音は、腕や頭まで体の隅々を最大限に使い倒した構造で、人々を全く飽きさせません。

    果ては観音さまの鼻の穴から下界をのぞくこともできるという!これでもかという観音さまの偉大さをじかに体感できるシステムです。

    写真・半田カメラ

    さらに頭の上の展望も屋外スタイル。ここまで登ることが一般に許されている巨大仏は、たぶん国内では東京湾観音しかないと思われます。

    そこからは東京湾が一望でき、美しい景色とともに、高い山を登頂したかのような、もしくはアドベンチャーゲームを全面クリアしたかのような、そんな達成感に浸れるのです。

    写真・半田カメラ

    異空間体験や巨大仏像にちょっと興味はあるけれど、どこから行っていいか分からない……という方は、まずはだまされたと思って東京湾観音へ!

    小難しいことなんか分からなくても、ただただ楽しめる巨大仏、それが東京湾観音です。ただし、高所恐怖症の方には決してオススメできませんので、あしからず。

    写真・半田カメラ

    半田カメラ

    雑誌や広告などの撮影が本業の女性カメラマン。

    趣味で日本中を旅するうち異空間的風景にハマり、

    巨大な仏像に夢中に。とうとう大仏写真家として開眼。

    国内150カ所以上の大仏を撮影。

    Website「恋する巨大仏」

    http://handa-camera.wix.com/kyodaibutsu-in-love

    Blog「 気になったら とりあえず行ってみるブログ」

    http://ameblo.jp/handa-camera/

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