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佐藤優・評 『備中高梁におけるキリスト教会の成立−新島襄の伝道と新しい思想の受容』=八木橋康広・著

 (ミネルヴァ書房・4860円)

日本文化への土着化の過程

 同志社大学神学部には、独自の神学的伝統がある。キリスト教が欧米からの輸入品として扱われている限り、それはほんものではないという考え方だ。キリスト教は日本の文化に土着化してこそ、はじめてイエスが説いた教えが具現化する。こういう土着化論を鮮明に打ち出したのが同志社の傑出した歴史神学者・魚木忠一(1892〜1954年)だった。著者の八木橋康広氏(日本基督教団高梁(たかはし)教会牧師)は、魚木が『日本基督教の精神的伝統』(1941年)において展開した方法を用いて岡山県高梁市にプロテスタント教会が形成される過程について考察する。

 鍵を握ったのが、新島襄(じょう)が高梁町(当時)を訪問したことだ。新島の感化を受けた町民が、キリスト教を地元に土着化させ、新時代に適応する指導原理として受け入れた。<新島はいわば文明開化の同志として迎え入れられて、明治七(一八七四)年一一月に帰国がかない、思う存分にイエス・キリストの福音をもって救国の仕事に邁進(まいしん)した。その一環として明治一三(一八八〇)年と一六(一八八三)年の二回、かつ…

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