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三浦 天紗子・評『寿命はなぜ決まっているのか』小林武彦・著

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寿命があることの意味をいま一度考える

◆『寿命はなぜ決まっているのか』小林武彦・著(岩波ジュニア新書/税抜き840円)

 寿命はなぜ決まっているのかという大上段の問いに答える前に、本書はまず、なぜヒトは老化するのかという疑問から解き明かす。細胞は、コピーを繰り返すうちにがん化のリスクが増える。だが、がん化しそうなエラーを自ら切り離すことで、正常化を維持しようとする。その鍵を握る、幹細胞、テロメア、DNA修復のしくみの話が前半3章でまとめられ、続く4章「長寿遺伝子(サーチュイン)」の可能性の話につながっていく。

 日本人の現在の平均寿命は、大正時代より30歳くらい長い。この驚異的な変化の要因は、老化を遅らせ寿命を延ばすといわれる長寿遺伝子のスイッチが、衛生や医療、栄養などの環境要因でオンになったからだという。スイッチを入れるのは案外簡単で、適度な運動習慣とカロリーを適度に抑えた食習慣だ。

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