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熊本地震で阿蘇大橋が崩落した熊本県南阿蘇村が、地域分断の危機にさらされている。橋の西側に位置する立野(たての)地区の住民は、役場や小中学校などがある東側の村中心部に行けなくなった。深い谷に架かる巨大な橋の再建には相当な期間がかかるとみられ、住民からは「移住せざるを得ない」という声も漏れる。
22日朝、熊本県大津(おおづ)町の体育館で、立野地区の住民約70人が身を寄せ合っていた。「いつまで避難生活が続くのだろうか。早く帰りたい」。江川恒雄さん(66)がつぶやいた。雨による土砂災害の危険が高まったとして、21日に立野地区の一部に避難指示を出した村は、橋の東側への避難も模索したが、結局、大津町の避難所へ移す方が安全な上、はるかに早いと判断した。
「赤橋」と称される観光名所の阿蘇大橋は1971年に開通した。長さ約205メートルで、谷底からの高さは約70メートル。立野地区を通る国道57号と、村の中心に向かう325号を結ぶ橋は大事な生活道路でもあった。地震前、地区の小中学生らはスクールバスなどで阿蘇大橋を渡って小中学校や保育園に通っていた。
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