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社説

激甚災害の指定 速やかな復旧に生かせ

 被災地が求める復旧政策を速やかに進めてほしい。

     政府は、熊本地震を激甚災害に指定することを閣議決定した。それに先立ち、安倍晋三首相は、熊本地震復旧のための補正予算案の編成を麻生太郎財務相に指示した。

     激甚災害の指定により、被災した自治体の復旧事業への補助が通常の7〜8割程度から最大9割程度にまで引き上げられ、中小企業支援なども拡充される。

     補正予算案は数千億円規模とみられ、被災者の生活支援策と、道路などのインフラ復旧費の2本柱となる。この予算は、仮設住宅の建設やがれき処理にも充てられる見通しだ。政府・与党は来月13日にも国会に提出し、今国会中の成立を図る。

     当面の政府の対策には予備費が充てられている。だが、今後の復旧、復興を考えればまだ相当の財源が必要になるだけに、補正予算で早期に対処するのは当然だろう。

     ただし、予算を確保すれば復興・復旧が進むわけではない。スピードときめ細かい行政対応が必要だ。

     被災地では、住宅の損壊が約1万棟に上り、自宅に帰れない避難者は今も約5万人いる。まずは、被災者の要望をくみ取り、被害の正確な把握をすることが求められる。

     被災した建築物の倒壊可能性などの診断は緊急性が高い。調査に当たる「応急危険度判定士」について、熊本県が政府に広域支援を要請し、大幅な増員が図られた。今月中に判定を終えたいとしている。

     建物の傷み具合を3分類し、危険な場合は赤いステッカーが張られる。2次災害防止に役立つほか、安全性が確認された住宅には被災者が戻る可能性も生まれる。

     熊本市や益城町では仮設住宅の建設が予定されるが、建物の診断は建設戸数を決める基礎資料にもなるだろう。現状の把握と並行し、仮設住宅の建設準備を進めるべきだ。

     衛生面の改善を求める声も強い。阿蘇市や益城町などではごみ処理場が損傷し、ごみ処理が追いついていない地域がある。近隣自治体での受け入れなど、対応を急ぎたい。

     被災者が生活再建の支援金などを受け取るのに必要な罹災(りさい)証明の発行も、大切な行政手続きだ。だが、避難所運営などで人手をとられ、阿蘇市など受け付けを始められていない自治体が出ている。全国の自治体からの応援職員を適切に配置するなどして対応してほしい。国全体で熊本の復興を支える体制を築きたい。

     東日本大震災では、計上した復興予算が事業費の高騰などで活用されないケースや、目的外に使われたケースが出た。そういうことがないよう注意が必要だ。

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