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オバマ大統領のレガシー=京都大教授・中西寛

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=小松雄介撮影
=小松雄介撮影

広島訪問、現実と希望 中西寛(ひろし)

 オバマ米大統領が今月の主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)出席後に広島に訪問する見込みとなっている。米政府は正式発表を控えているが、恐らく実現するだろう。

 米大統領の広島訪問は、広島をはじめとする日本国民に広く期待されていたことであり、それが実現することは喜ばしいことである。ただし、オバマ大統領がこの時点で広島訪問を実行しようとする背景については、理解しておく必要があろう。

 米大統領、特に就任直後に「核なき世界」を高らかに訴えたオバマ大統領にとって、任期最後の年に世界最初の被爆地である広島を訪問することは、この政権の「レガシー(遺産)」を印象づける上で効果的な意味をもつであろう。しかし、オバマ大統領がこれまで3度の訪日時に広島訪問を否定してきたことには理由があった。大統領の広島訪問が米国内で原爆投下の正当性を巡る論争を再燃させ、日米関係にも感情的な亀裂をもたらしかね…

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