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「これ以上は進めません」。現場のかなり前で止められた。4月19日午前7時過ぎ、自衛隊が規制している手前に駐車し、アスファルトの道を走った。道をふさいだ大量の土砂が、通れるようにならされている。その小山を越えるとまたアスファルト。熊本県南阿蘇村の新興住宅地、高野台団地に入った。
上り坂は途中から完全に土の坂になった。民家の1階が土砂で埋まり、ひしゃげた赤い車がのぞく。沿道は建物の破片と土ばかり。水分を含んで滑りやすく、何回も転んだ。スニーカーは泥だらけになり、「登山靴を持ってくればよかった」と悔やんだ。
ガー、ガーとショベルカーの音が響き、数人の自衛官が丘の上を見つめていた。丘の芝の薄緑と、土砂が流れ下った部分の土色が、異様なコントラストをなしている。広報担当の自衛官は「道路があった所から掘り始め、その後シャベルなどで細かく掘っていく」。警官も消防隊員も災害救助犬もいない。
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