熊本地震

「山が歩いてきた」 派遣記者が見た

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
朝日が昇る高野台団地の丘を見上げる自衛官たち。土砂が流れ下った部分(右側)は芝がはげ、土がむき出しだった=熊本県南阿蘇村河陽で2016年4月19日午前7時53分、田畠広景撮影
朝日が昇る高野台団地の丘を見上げる自衛官たち。土砂が流れ下った部分(右側)は芝がはげ、土がむき出しだった=熊本県南阿蘇村河陽で2016年4月19日午前7時53分、田畠広景撮影

 「これ以上は進めません」。現場のかなり前で止められた。4月19日午前7時過ぎ、自衛隊が規制している手前に駐車し、アスファルトの道を走った。道をふさいだ大量の土砂が、通れるようにならされている。その小山を越えるとまたアスファルト。熊本県南阿蘇村の新興住宅地、高野台団地に入った。

 上り坂は途中から完全に土の坂になった。民家の1階が土砂で埋まり、ひしゃげた赤い車がのぞく。沿道は建物の破片と土ばかり。水分を含んで滑りやすく、何回も転んだ。スニーカーは泥だらけになり、「登山靴を持ってくればよかった」と悔やんだ。

 ガー、ガーとショベルカーの音が響き、数人の自衛官が丘の上を見つめていた。丘の芝の薄緑と、土砂が流れ下った部分の土色が、異様なコントラストをなしている。広報担当の自衛官は「道路があった所から掘り始め、その後シャベルなどで細かく掘っていく」。警官も消防隊員も災害救助犬もいない。

この記事は有料記事です。

残り610文字(全文1002文字)

あわせて読みたい

注目の特集