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三浦 天紗子・評『アレルギー医療革命』NHKスペシャル取材班
2016/5/10 17:31(最終更新 5/10 17:31)
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アレルギー予防の新常識に、瞠目せよ
◆『アレルギー医療革命』NHKスペシャル取材班(文藝春秋/税抜き1300円)
花粉症や食物アレルギーによる悩みは、先進国ほど顕著だ。中でも、重篤なアレルギー反応を引き起こし、死に至ることもある食物アレルギーは深刻。だからこそ、これまで世の親たちは2000年にアメリカ小児科学会が出した〈妊娠中や授乳中、離乳食では、アレルギー食品を避けること〉という指針に従い、必死に対策を講じてきた。
ところが、その考え方の根拠となる研究や調査はほぼ存在しなかった。それだけでなく、15年にはアメリカのアレルギー学会で、ピーナツアレルギーの予防には、子どもたちが非常に早い段階から積極的にピーナツを食べることがよいという、まったく逆の研究成果が報告されたのだ。本書が伝える「これまでのアレルギー予防の“常識”は、間違いだらけだった」の衝撃はものすごい。
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