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熊本地震

指定外避難所に3万6000人 本震翌日

熊本地震被害状況=11日正午現在

 熊本地震で最も避難者が多かった本震翌日の4月17日時点に、自治体の地域防災計画で定められていない指定外避難所が、熊本県内の少なくとも7市町村の計185カ所にあり、約3万6000人が避難していたことが毎日新聞の取材で分かった。指定外の避難所のために自治体側が把握に手間取り、住民の安否確認に支障が出たり、支援物資が行き渡りにくくなったりする事態が起きた。指定避難所の周知などが不十分な現状が浮かび上がった。

 4月17日午前9時半時点で1000人以上の避難者がいた17市町村に対し、指定外で避難所になっていた場所を当時把握していたかを聞いたところ、7市町村が計185カ所の存在を把握していた。いずれも住民が自然発生的に集まって避難所となった場所で、各自治体の集計によると、少なくとも計約3万6000人が当時身を寄せていたとみられる。

 市町村別の指定外避難所数(被災者数)は▽熊本市83カ所(約1万2500人)▽益城町4カ所(約1万2250人)▽御船町14カ所(約600人)▽大津町55カ所(約7400人)▽合志市3カ所(約550人)▽阿蘇市17カ所(約2190人)▽南阿蘇村9カ所(約560人)−−。

 指定外の場所に避難した理由を被災者に取材したところ、「指定避難所が地震で損傷した」「指定避難所が遠くていけなかった」「指定場所が分からなかった」「幼い子供やペットを連れていて迷惑をかけると思った」などの声が出た。

 益城町の「阿蘇熊本空港ホテル エミナース」の駐車場には、2度目の震度7を観測した4月16日の本震の後に続々と車が集まり、2000人以上が身を寄せた。2日前の前震で近くの指定避難所だった町立津森小学校の体育館が損壊して使えなくなっており、本震の後、住民らは地元消防団の呼びかけで北に約2.4キロ離れたホテル駐車場を目指したという。住民を誘導した町消防団第五分団、渡辺靖(おさむ)団長(44)は「まさか指定避難所がだめになると思っていなかった。とっさの判断で動いた」と当時を振り返った。

 熊本市中央区のある公民館も指定外だったが、本震の後には隣接する公園も含めて100人以上の住民が集まった。地元の民生委員によると、支援物資も届かず、トイレも使えない状態が続いた。一時は住民が逃げる時に持ち出した食パンを分け合ったりして空腹をしのいだという。

 指定避難所は、東日本大震災で被災者がどこに逃げればいいか分からない事例が相次いだことを教訓に、2014年4月施行の改正災害対策基本法で指定が義務化された。今回、指定外の避難所が多発したことを受けて、熊本県の担当者は「緊急時に個々の判断で指定外の避難所に行くのは構わないが、支援が追いつかないこともある。今後は指定避難所について情報発信のあり方などを検討したい」としている。

 元中央防災会議委員の重川希志依(きしえ)・常葉大大学院教授(防災教育)は「指定避難所以外を避難所として使わざる得ない状況は、これまでもあらゆる災害で発生してきた。指定外避難所で行政から支援を受けるには、住民の側から避難所の存在を知らせる必要がある。住民が災害時にそうした行動ができるよう、行政は防災教育を充実することが重要だ」と話している。【国本愛、山下俊輔、樋口岳大】

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