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内田麻理香・評 『絵巻とマンダラで解く生命誌』=中村桂子・著

 (青土社・2160円)

 本書を読んでいると、不思議な気分に陥る。普通に読書しているはずなのに。それが、著者と一対一で、膝をつき合わせて会話、いや教えてもらっている気分になる。しかも、著者が絵巻やマンダラの美しい絵を見せながら、「これはね」と語りかけられているように感じてしまう。この感覚は著者の筆致のせいだろうか。

 著者は「JT生命誌研究館」館長の中村桂子氏だ。氏は分子生物学の研究者として業績を重ねたあと、「生命誌」という概念を提唱した。氏のいう生命誌とは、個別の生物学研究から生まれている。生きものたちの歴史物語を生命が誕生した38億年前から、地球規模で語る。言わずもがなではあるが、生命科学は現在の科学界の星である。それを、「科学」の中に止(とど)まらず、「生命とは」「地球とは」の規模で記述する著者の射程は…

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