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『大きな鳥にさらわれないよう』 著者・川上弘美さん

川上弘美さん

 (講談社・1620円)

 「人間は生まれて、やがて死ぬ。小説を書く時は、それを思っています」。本書は、滅亡の危機にひんする人類の未来を描く長編小説。<いくつものカタストロフやインパクトの後、人類は急激に減りつつあった>。国が消滅した地球において、人間は小グループごとに隔絶されて「母」の下で暮らす。ファンタジーなのに、読む者の足元にひたひたと現実感が漂う。

 着想の源のひとつは2011年、東日本大震災の原発事故だった。「事故自体もそうですが、使用済み核燃料の処理方法が確立されていないことに本当にびっくりしました。下手をすると、人類が滅びた後にも残る。ショックでした」。だが、すぐに書けなかった。人間由来の細胞は弱いという設定の下、牛や鯨、兎(うさぎ)に由来する子供たちを工場で作っている世界を短編で発表した時に、ここから大震災以降の思索を展開できると思っ…

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