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親と子の現場

保育士、理不尽な処遇2

保育士確保のイメージ

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◇離職が深刻

     待機児童の多い自治体では保育所の定員増を急ぐが、保育士が確保できず、定員分の子供を受け入れられないところが相次いでいる。運営事業者や自治体による「保育士獲得競争」も激しさを増している。

     千葉県などで複数の保育所を運営する社会福祉法人では今春、160人超の定員の保育所で、受け入れ人数が定員の半分も満たせない事態が起きた。予定通りの保育士が確保できなかったためだ。

     「応募者の見学の日を決めていても、当日、連絡が取れなくなったり、内定を出していたのに、勤務日近くになって『やっぱりやめます』とドタキャンされたり。保育士採用は完全な売り手市場」と同法人の担当者は厳しさを語る。他施設と給料や通勤の便が比較され、家賃補助などで優遇を図る近隣自治体との競争も激しい。「もっと行政も手助けしてほしい」と訴える。

     首都圏を中心に165カ所の保育所を運営する業界最大手のJPホールディングス。保育士が約300人足りず、本来預かれるはずの約85%しか子供を受け入れていない。

     昨春、給与を一律8%引き上げ、今春はさらに平均で4%上げた。初任給は約21万円、完全週休2日制と待遇は業界内では良い方だが、さらに上乗せを図った。今春は保育士資格のない学生も採用。内定後、資格取得の勉強を始めてもらった。自社への就職を希望する保育士養成校の学生には、返済不要の奨学金(月5万円、最長2年)もある。荻田和宏社長はそれでも「業界全体のイメージが悪く苦戦している」という。

     昨年4月の待機児童数が625人で全国ワースト2位だった千葉県船橋市。市立保育所の総定員は4448人だが、保育士不足で288人は空きがあっても受け入れられなかった。臨時職員が前年度の228人から173人に減ったことが影響した。今年度は例年30人前後の常勤職員の採用を72人に増やし、臨時職員の時給も310円引き上げ1530円とし180人確保した。

     一方、国は資格取得のための資金貸し付け▽子育て中でも再就職しやすいように短時間正社員制度の推進▽業務負担軽減のため保育補助者の雇用支援−−などを内容とする「保育士確保プラン」を昨年1月に公表、同年4月には給与を3%引き上げた。

     さらに深刻化する待機児童問題を受け、今月中にまとめる「ニッポン1億総活躍プラン」で、月当たり2%(約6000円、一時金を含む)の給与引き上げ策を打ち出す。昇給制度がないことも低賃金の一因となっているため、ベテラン保育士に給与を手厚く配分することも盛り込む方針だ。

     ただ、現場には「6000円ではインパクトが弱い」「他の仕事と見劣りしないぐらいの給料でないと人は来ない」との声もあり、実態に見合った対策が求められている。【中村かさね、堀井恵里子】

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