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武田 砂鉄・評『夜空はいつでも最高密度の青色だ』最果タヒ・著

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通り過ぎていく言葉の後ろ姿だけが見える

◆『夜空はいつでも最高密度の青色だ』最果タヒ・著(リトルモア/税抜き1200円)

 詩集を書評するのは難しい、らしい。なぜか。相応の解析を提示するのが困難だから、ではなく、評されることから逃げようとしているようにも思える言葉の羅列を懸命に掴(つか)まえようとあくせくする姿を評者が晒(さら)したくないから、ではないか。

 詩を「感じる」とか「向き合う」とか、少し難しい言葉ならば「対峙(たいじ)する」とか、そうやって詩の前に立とうとすることなんて、そもそも可能なのだろうか。最果(さいはて)タヒの最新詩集を読みながら、おぉ、この言葉刺さる、と付箋をいくつもつける。書評を書くにあたって、付箋のついた詩だけを読み直す。すると、その大抵が、どの言葉が刺さっていたのかが分からない状態で迫ってくる。もちろん、言葉が萎(しぼ)ん…

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