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社説

東京五輪招致 活動費の使途を明確に

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 2020年東京五輪・パラリンピックの招致活動に国内外から疑惑の目が向けられている。

     東京がライバルのイスタンブールとマドリードを退け、56年ぶりの五輪開催を決めた13年9月の国際オリンピック委員会(IOC)総会の前後、東京の招致委員会が2回にわたって計2億3000万円をシンガポールにあるコンサルタント会社の銀行口座に送金していた。

     招致委の理事長で日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は「情報収集などの対価であり、疑惑を持たれる支払いではない。フェアな招致活動で全く潔癖」と述べ、参考人として出席した国会でも正当性を主張した。

     だが、コンサルタント会社の代表は、ロシア陸上界の組織的なドーピング(禁止薬物使用)隠しに絡む贈収賄事件で訴追された前国際陸上競技連盟会長側と近い関係にある人物で、この銀行口座はロシア選手のドーピング隠しでも使用されていた。世界的な汚職事件の全容解明に向け、フランスの検察当局が汚職や資金洗浄の疑いで捜査を進めていなければ、東京招致委による多額の送金は判明しなかった可能性が高い。

     前国際陸連会長は最近まで長年IOC委員を務め、IOC内部でも大きな影響力を持っていた。2億3000万円は票の取りまとめの期待や、その見返りだったのではないかとの疑惑が浮上している。

     竹田会長によると、当時複数の会社から売り込みがあり、大手広告代理店の電通に照会して決めたという。陸上関係者らへのコネクションを持っていることが決め手になったようだ。現在は活動の形跡はなく、「ペーパーカンパニー」だったのではないかとの指摘もある。

     竹田会長らは2億3000万円が具体的にどう使われたのか把握すべきだ。だが、疑惑が明らかになった後も問い合わせすらしていない。降りかかった疑惑を自ら晴らそうという姿勢が伝わってこない。「(2億3000万円は)特別に高額というわけではない」との認識は市民感覚からかけ離れている。

     1998年長野五輪招致でもあった買収疑惑事件を契機にIOC委員が立候補都市を訪問することが禁止され、ロビー活動などを請け負うコンサルタントへの需要が高まった。東京招致を引き寄せたと言われる「おもてなし」のスピーチも英国人コンサルタントのアドバイスだ。

     東京招致委は約10社と契約を結び、活動費約89億円の中から計7億8600万円を支出した。金額は適正だったのか。国民の理解を得るためにも、使途を含め活動内容について最大限情報を公開してほしい。

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