メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

販売拡大する「家主向け保険」

 賃貸住宅に1人で暮らす高齢者の「孤独死」が増加するなか、高齢入居者が死亡した後の清掃費用などを補償する家主向け保険の販売が拡大している。これまでは小規模保険を扱う少額短期保険業者が主に手掛けてきたが、需要の高まりから大手損保が相次いで参入。東京海上日動火災保険が家賃収納保障会社と連携した新サービスを打ち出すなど、サービスの充実を競っている。【中島和哉】

     孤独死に対応する家主向け保険は、高齢者が孤独死した場合、残された家財の処分や部屋のリフォーム費用として大家に保険金を支払う仕組み。死亡事故があった場合、オーナーが次の入居希望者に説明を求められる可能性が高く、入居を敬遠されたり、家賃の値下げを強いられたりするリスクも補償の対象となる。

     孤独死に対応する保険は従来、保険金や保険期間に制限のある少額短期保険業者が手掛けてきた。アイアル少額短期保険は2011年、孤独死や自殺が起きた部屋の原状回復費用に最大100万円、空室や家賃低下に対して最大200万円を事故後1年間補償するなどの商品を販売。保険料が1戸当たり月300円と安いのが魅力で、契約戸数は累計1万7000戸に伸びている。

     大手損保の参入は昨年から相次いでいる。高齢化の進展で孤独死が社会問題化するのに従い、賃貸住宅のオーナー側のニーズが増加してきたためだ。MS&ADグループのあいおいニッセイ同和損害保険と三井住友海上火災保険は火災保険とセットで孤独死対応保険を発売した。死亡事故が発生した部屋だけではなく、上下左右の部屋も空室補償の対象にしたのが特徴だ。

     東京海上日動も昨秋、空室や家賃値引きのリスクを最大2年間補償する保険商品を発売。5月からは家賃集金代行のリコーリースなどと提携し、個人オーナーへの家賃の前払いと孤独死対応保険をセットにした商品を提供している。

     内閣府の高齢社会白書によると、10年の65歳以上の1人暮らし高齢者は約479万人と10年間で約1.6倍に増加した。これに伴い孤独死も増加し、賃貸住宅の経営者にとって高齢者の入居に対するリスクが高まっている。淑徳大総合福祉学部の結城康博教授(社会保障論)は「家族の絆が希薄になり、単身高齢者が増えるなかで、孤独死のリスクを抑えることができる民間保険の意義は大きい」と話している。

    関連記事

    毎日新聞のアカウント

    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 台風21号 列島大雨に 「特別警報」の可能性
    2. 実業団対抗女子駅伝 予選会、きょう号砲 「神宿る島」で新たな歴史を
    3. 衆院選 投票所開設、立会人寝坊で21分遅れ 大阪・高槻
    4. 母娘死亡 予備タイヤ落下か 広島の会社、現場にチェーン
    5. トランプ氏 ケネディ氏暗殺の捜査資料、機密指定解除へ

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです

    [PR]