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耐震改修のポイント

 熊本地震では、建物の損壊や倒壊が相次いだ。自宅が十分な強さを持つのか、特に戸建て住まいの人は気になるところだ。耐震性を高めるためのポイントをみる。

     ●強化される基準

     住宅の耐震性は建築時期がひとつの目安になる。建築基準法の耐震基準は大地震のたびに強化されてきたからだ。

     最も重要なのは耐震設計を抜本的に見直した1981年改正で「新耐震基準」と呼ばれる。宮城県沖地震(78年)を受け、震度5強程度では軽度の損傷にとどまり、震度6強〜7程度でも倒壊しない性能を求めた。国土交通省によると、2013年時点の住宅5200万戸(集合住宅含む)のうち、新耐震基準に適合するのは82%。基準に満たない900万戸の4分の3は戸建てで、大半は木造だ。国は東京五輪の20年までに95%に高める目標を掲げる。

     ただし、木造住宅では、地盤調査や基礎強化などを盛り込んだ「2000年基準」も重要だ。死者の9割が建物倒壊による圧死だった阪神大震災(95年)では81年以前の建物に被害が集中したが、新耐震基準を満たす建物も1割が大破した反省を踏まえた。

     ●見極めのポイント

     住宅診断最大手、さくら事務所(東京都渋谷区)は、木造住宅の耐震性をみるポイントは四つあると指摘する。

     第一に壁の強さ。木材は柱を曲げようとする横からの力に弱い。これを補うには筋交(すじか)い(柱と柱の間に斜めに入れる補強部材)や構造用合板を入れ、力に抵抗する壁(耐力壁)を作る。新耐震基準では、床面積に対し必要な耐力壁の長さ(壁量(へきりょう))を強化した。

     第二に劣化。雨漏りで木材が腐っていたり、シロアリ被害があったりすれば、新築当時と比べ強度が低下する。

     第三に耐力壁のバランス。耐力壁が中央部に集中する建物は、外周部に広く配置した

    建物に比べ倒壊しやすい。採光のため南側をガラス戸にしているような住宅が典型だ。

     第四に柱の抜け防止。阪神大震災では、基礎から柱が抜け倒壊する建物が目立った。基礎と土台をアンカーボルトで、基礎と柱は金具で固定することで強度が増す。

     耐力壁のバランスと柱の抜け防止は00年改正で強化された。耐震改修はこうした点を踏まえた補強が必要となる。

     全国の約8割の自治体には耐震診断や耐震改修の補助制度がある。中身はまちまち。自治体に問い合わせたい。

     耐震診断の費用は、図面がある場合で10万〜20万円程度かかる。自治体の補助制度では、新耐震基準を満たさない木造住宅は無償または大部分を補助するものが多い。

     結果は評点で示され「1・0未満」は「倒壊する可能性がある」と改修を促される。全国1100業者で作る日本木造住宅耐震補強事業者協同組合によると、木造約2万戸の診断で、80年以前に建てられた住宅の98%、81〜00年建築でも86%が1・0未満だった。

     ●費用対効果の視点

     日本建築防災協会の調査では耐震改修費用は100万〜150万円が最多。「自治体の補助を利用すればさらに下がる」という。だが古い住宅に住むのは高齢者が多く「倒壊の可能性」を示されても二の足を踏むケースは多い。国交省は「負担の大きさや、効果が適切かどうか判断が難しいのがネック」とみる。

     さくら事務所の住宅診断士、山見陽一さんは「費用対効果の視点が必要」と説明する。壁をはがして筋交いを入れた場合、1カ所あたり8万〜12万円かかるが、内装費用も加わるため、工事する部屋を絞ったほうが割安。また、外周部にある押し入れの耐力壁を補強すれば、内装費用を抑えて耐震性を高められる。リフォームと耐震改修を同時に工事すれば、その分安く済む。「重要なのは少しでも耐震性を高めること。改修方法はいくらでも考えられる。そのためにも設計を何度もシミュレーションしてくれる業者を選びたい」と話す。【渡辺精一】

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