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安倍政権成長戦略

新戦略素案 人工知能が柱、「総花的」「小粒」の見方も

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 政府は19日、産業競争力会議(議長・安倍晋三首相)を開き、新しい成長戦略の素案をまとめた。人工知能(AI)などを活用する「第4次産業革命」を推進し、首相が掲げる「名目国内総生産(GDP)600兆円」を達成したい考え。だが、多くの項目を総花的に並べた内容に対し、市場からは「迫力不足」との冷ややかな見方も出ており、目標達成の道筋は見えていない。

 成長戦略は、金融緩和、財政出動と並び、アベノミクス旧三本の矢に位置付けられてきた。第2次安倍内閣発足後、毎年策定され、今年で4回目。政府は、経済財政運営と改革の基本方針「骨太の方針」と、人口1億人維持のための「ニッポン1億総活躍プラン」とともに31日に閣議決定する予定だ。

 今回の成長戦略が柱に掲げたAIなど先端技術の活用は、成長を妨げる労働人口不足の克服に向け、産業の生産性を高める狙いだ。経済成長を妨げる労働人口不足の克服に向け、AIを駆使した車の自動走行や、小型無人機(ドローン)を使った宅配サービスなどの実現を急ぐ。あらゆるものがインターネットでつながるIoT(モノのインターネット)の普及も促進し、複数の工場をネットワークでつないで生産性を高めた「スマート工場」を整備。IT関連で2020年に30兆円の市場創出を目指す。

 政府の司令塔として閣僚らが参加する「官民会議」を新設し、規制改革や人材育成のための具体策も議論する。

 人材育成では、専門知識を持つ外国人が永住権を取得しやすくするため、条件となっている5年間の滞在期間を大幅短縮することなどを挙げた。

 しかし、AIなどの「第4次産業革命」は米国やドイツが先行し、日本は出遅れている。競争力会議であいさつした首相は「大きなチャンスである半面、世界に乗り遅れればピンチとなる。スピード勝負で改革に取り組む」と語ったが、具体的な道筋が描けているわけではない。

 また、今回の成長戦略は、環境・エネルギー関連への投資拡大や東京五輪を見据えたスポーツの成長産業化など幅広い項目を盛り込んだが、「総花的な印象は否めない」(エコノミスト)。さらに、これまでの成長戦略が法人実効税率の引き下げや環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の推進などを掲げていたのに比べると、「全体的に小粒」との指摘も出ている。

 政府は15年度に約500兆円だった名目GDPを20年度ごろに600兆円へと拡大する方針を掲げているが、これには名目3%の成長が必要。しかし、景気は停滞が続き、日本経済の実力を示す潜在成長率は0%台とされる。BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「AIなどの活用は必要だが、今回の成長戦略でGDP600兆円の実現につながる効果を見込むのは無理がある。潜在成長率の低下を止めるぐらいがせいぜいではないか」と指摘する。【秋本裕子】

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