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渡辺保・評 『天才と名人−中村勘三郎と坂東三津五郎』=長谷部浩・著

 (文春新書・896円)

 亡き勘三郎と三津五郎の素顔が髣髴(ほうふつ)とする本である。

 勘三郎が死んだのが四年前の平成二十四年十二月五日、まだ五十七歳の若さであった。術後の経過がいいという噂(うわさ)を聞いていたから、私はその訃報を即座に受け入れることができなかった。

 三津五郎は勘三郎とは一歳違いの幼馴染(なじ)み。名コンビ、ライバルでもあった。その葬儀には涙を流し、今でも自分の傍に彼がいるようだと語った。そして新装開場した歌舞伎座でかつて勘三郎との当たり芸「棒しばり」を遺児勘九郎相手に踊った。私はその時の三津五郎の揚幕をパッと出てきた瞬間の、亡き親友を背負っているかの如(ごと)き意気込みを忘れることができない。

 その三津五郎が親友の後を追うように平成二十七年二月二十一日、これも病後の再起計画を検討しているという風聞のなか、突然五十九歳で世を去った。

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