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山元自動車学校の訴訟で和解が成立し、会見に臨む犠牲となった教習生の遺族ら=仙台市青葉区で2016年5月25日午前11時50分、佐々木順一撮影

学校側が安全上の不備認め陳謝 解決金は大幅に下回る

 東日本大震災の津波で犠牲になった常磐山元自動車学校(宮城県山元町)の教習生25人と従業員1人の遺族が、学校側に損害賠償を求めた訴訟の控訴審は25日、仙台高裁(小野洋一裁判長)で和解が成立した。学校側が安全上の不備を認めて陳謝した上で、教習生1人当たり50万円、計1250万円の解決金を遺族側に支払うとの内容。従業員側の和解協議は分離されており、協議を継続する。

     解決金は1審が学校側に命じた賠償金計約18億5000万円(1人当たり約4000万〜8000万円)を大幅に下回った。遺族側の弁護士によると、金額は学校側の支払い能力を踏まえて決定したとみられる。

     和解条項によると、学校側は、地震や津波を想定した避難防災マニュアルを作っておらず、当日も適切な避難指示をしなかったことが死亡の一因となったことを認め、遺族に陳謝し、心から哀悼の意を表す。

     津波被害を巡る訴訟のうち、管理者側の賠償責任を認めた判決が出たケースで和解が成立したのは、同県石巻市の私立日和(ひより)幼稚園訴訟(2014年12月に同高裁で和解成立)に次いで2件目。

     教習生と従業員の遺族は11年10月から翌年にかけ、計約19億7000万円の支払いを求めて提訴。1審・仙台地裁判決は15年1月、「消防車による避難の呼びかけを学校側の誰かが聞いていたと推認できる」などとして学校側の安全配慮義務違反を認定した。

     学校側は「津波襲来は予測できなかった」と控訴。亡くなった教習生25人のうち19人と従業員1人の遺族も学校役員の個人としての賠償責任が認められなかったことを不服として控訴した。

     訴状によると、学校側は地震発生後に教習生を待機させ、約1時間後に送迎バス4台に分乗させるなどして帰宅させた。バスに乗った23人と徒歩で帰宅した2人が津波に巻き込まれて犠牲になった。【本橋敦子】

    「世の中にこの事件の真相を知ってもらえると思った」

     遺族会代表の寺島浩文さん(53)は和解後、「お金を受け取ることが目的ではないが、子供の命の対価として解決金の金額が低すぎることは納得できない。ただ、和解を受け入れた方が、世の中にこの事件の真相を知ってもらえると思った」とのコメントを出した。

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