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鴻巣友季子・評 『魔法の夜』=スティーヴン・ミルハウザー著

 (白水社・2268円)

月夜は欲望を目覚めさせる

 「焦がれる」という言葉がある。焼けるような、ひりつくような、熱く惹(ひ)かれる気持ち。

 ミルハウザーの最新作『Voices in the Night』(『夜の声たち』未邦訳)を評して、あるアメリカの作家はこんなふうに書いている。

 「この作品集の土台となっているのは、人間のもつ暗い憧憬(しょうけい)だ。完全なるものを、高揚を、捉えどころのない充足を希求する心。こうした憧憬は“可燃性”で、とかく巷(ちまた)に広がりやすい不安というものを火口(ほくち)にして、町とそこに住む人々の心を焼き尽くそうとする」

 ほぼ満月の月の照らす夏の一夜、アメリカ東海岸の南コネチカットを舞台にしたミルハウザーの美しい寓話(…

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