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思いきって声を=岸政彦(社会学者)

 大阪で暮らしていると、たまにひどい貧困の現場を見る。ずっと以前だが、大阪市の南の果てで暮らしていたとき、近所のスーパーで、10歳ぐらいの女の子が、上半身裸でバスタオルだけ巻いているのを見かけたことがある。髪の毛も汚くて、あれは貧困というより虐待だったのだろう。あっと思ったけど、急いでいたこともあり声をかけそびれたことが、今でも悔やまれてならない。もう15年も前だが、あの子は無事に成長しただろうかと思う。ほんとうに、ちゃんと声をかけて、どこかに通報すればよかったとそればかり思う。

 沖縄でもこうした貧困の現場に出くわすことが多い。つい先日、那覇の松尾あたりを散歩していると、公園のところに自転車を引いたホームレスのおっちゃんが立っていた。ボロボロの格好で私に近づいてきて、10円貸して、と言う。そのときは黙って通り過ぎたが、やはり腹でも減っているのかとどうしても気になって、財布から出した小銭を握りしめてもういちど彼のところまで戻ると、猛烈に酒臭かった。酒に消えてしまうだろうと思…

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