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社説

野党の候補統一 安倍1強にどう挑むか

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 今夏の参院選で民進党や共産党など4野党が改選数1のすべての「1人区」で候補を統一する見通しとなった。自民党候補と対決する。

     安倍晋三首相が憲法改正実現のステップとするなど、参院選の位置づけは重い。現状で野党がバラバラに戦えば1人区で苦戦を強いられ「自民1強」の維持に結果的に手を貸す可能性がある。候補統一は戦術としては理解できる。

     民進、共産、社民、生活の4野党は32ある「1人区」で候補を調整している。候補者は無所属と民進党がほぼ半数ずつで、香川では共産党候補に一本化された。

     今回、共闘を主導したのは、1人区の候補擁立にこだわらない方針を打ち出した共産党だ。

     民進党には当初、選挙協力への慎重論も根強かった。だが、4野党が共闘した先月の衆院北海道5区補選で共産票が加算される効果が示されたことを機に、調整が加速した。

     参院選では、小選挙区型で与野党の力関係が反映されやすい1人区が全体の勝敗に大きく影響する。第1次安倍内閣時代の2007年に自民党は6勝23敗で、全体でも惨敗した。逆に政権復帰後の13年に大勝した際は、1人区で29勝2敗だった。

     今回、統一候補は安全保障関連法廃止などを旗印として掲げている。1人区は保守地盤の厚い選挙区が多いうえ、結党した民進党に対する世論の期待感は高まっていない。

     参院には衆院を抑制する役割が期待されている。第3次安倍内閣の中間的な評価の場となる参院選だけに、野党の「1人区」での共闘には、安倍政治に批判的な有権者に受け皿を用意する意味合いもある。

     一方で懸念もある。民進党が来年春の消費増税反対にかじを切ったのは、与党の先手を打つだけでなく、共産との共闘に配慮したとみられている。共闘頼みとなるあまり、政策の軸足が揺れ動くようでは問題だ。

     野党の協力をめぐっては、参院選比例代表の死票を減らすため統一名簿作成を探る動きもある。だが、政党の融合に近い形となるだけに、政権構想まで示すことが前提だろう。

     政権選択の選挙である衆院選も、選挙協力を進めるのであれば、参院以上に政権構想と切り離せない。消費増税にしても2年の先送りを求める民進党と、あくまで反対の共産党の立場は異なる。安全保障など基本政策の違いを棚上げにしたまま、協力を進めるべきではない。

     与党は野党の共闘に「野合」批判を強めている。民進党は野党第1党として、政権の受け皿たり得る政策を示す責任がある。参院選での共闘を政権戦略にどう結びつけていくのか、明確に説明してほしい。

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