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詩歌の森へ

砂丘と光の感覚=酒井佐忠

 いま中東在住の若手歌人、千種創一の第一歌集『砂丘律』(青磁社)に注目していたが、このほど日本歌人クラブ新人賞を受賞したのは喜ばしい。千種は1988年生まれ。東京外語大在学中に、やはり中東在住の長かった歌人、三井修の授業「短歌創作論」を受け「外大短歌会」を創立。同人誌「中東短歌」を創刊するなどアラビア語の知識を生かした中東文化をもとにした作品が新鮮だ。砂丘から生まれる若者の感覚が詩的な光沢を放つ。

 <瓦斯燈を流砂のほとりに植えていき、そうだね、そこを街と呼ぼうか>。巻頭の一首。「街」とは、流砂のような空虚をもはらむ。<深く息を、吸うたび肺の乾いていく砂漠は何の裁きだろうか>。「砂漠」だけではない。人間のすべてが受ける「裁き」とは何か。<手に負えない白馬のような感情がそっちへ駆けていった、すまない>。抑えきれない愛の感情。「白馬」の比喩と結語の「すまない」の一語が胸を打つ。

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