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社説

慰安婦支援財団 「癒やし」の実現を願う

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 元慰安婦の支援に取り組む韓国の財団設立準備委員会がきのうソウルで初会合を開いた。昨年末の日韓合意に基づく初の具体的措置だ。元慰安婦の心の傷を癒やし、日韓の和解へ進む確かな一歩としてほしい。

 委員会は事務的な準備を経て今月中に「和解・癒やし財団」(仮称)へと移行する見通しだ。

 女性や高齢者の福祉に関する専門家である金兌玄(キムデヒョン)・誠信女子大名誉教授(66)が委員長となった。計11人の委員には、日韓関係に詳しい元外交官や研究者、ジャーナリストらも名を連ねる。

 慰安婦問題はナショナリズムを刺激しやすい。元慰安婦を支援してきた韓国の市民団体は日韓合意を「無効」だと主張している。韓国では最近の世論調査でも合意を「評価しない」という人が7割を超えた。

 厳しい世論を前に、委員就任を打診されても固辞する人が多かったという。その中で委員を引き受けた人々には敬意を表したい。

 元慰安婦の平均年齢は90歳近くなっている。昨年末の合意時には46人が存命だったが、それから既に4人が亡くなった。財団の事業が急がれる理由である。

 金委員長は初会合後の記者会見で「耳をしっかりと開き、被害者の痛みに心から共感し、理解していきたい」と述べた。さらに、合意を批判している市民団体とも協力を模索する姿勢を表明した。

 韓国政府は元慰安婦たちに個別の説明を行っており、そこでは合意を肯定的に評価する人も少なくないという。一方で、弁護士団体の助けで憲法裁判所に合意を違憲だと訴えた人もいる。丁寧な説明を続け、理解者を増やすことに努めてほしい。

 日本政府は合意にあたって慰安婦問題の「責任を痛感」していると表明した。そして韓国が作る財団に10億円を拠出することになった。財団は、日本側と協議しながら元慰安婦の名誉と尊厳の回復を図り、物心両面での支援事業を行う。

 かつて日本が設置した「アジア女性基金」は韓国側の協力を得られなかったために、元慰安婦への償いという目標を達成できなかった。そのことを考えれば、日韓が協力して事業を進めていく意味は極めて大きい。

 日本はさらに、財団が進めようとしている事業の難しさを認識する必要がある。日本の政治家が合意を傷つけるような発言をすれば韓国の国民感情を刺激し、財団の事業にも悪影響を与えかねないからだ。

 そんなことになれば「最終的かつ不可逆的な解決」という日韓合意の根本が危うくなる。日本も当事者意識を持って、韓国の取り組みに協力していきたい。

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