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鬼平を歩く

江戸・東京今昔/33 江戸の海岸線 洲崎 数多くの錦絵の舞台 /東京

江戸名所図会で「この地は海岸にして佳景なり」と紹介された洲崎神社。明治以降の埋め立てで海は望めなくなった

 遠浅の海岸で潮干狩りを楽しむ人々。沖合では白帆に風をはらんで数隻の船が江戸湾を走っている。歌川広重の錦絵「江都名所 洲崎弁天境内」に描かれた風景。海岸に接した境内に並ぶよしず張りの茶店は、さしずめ海の家のようだ。

 潮干狩りのほか、初日の出、雪景色など洲崎弁天(現・洲崎神社)は海浜を背景に多くの錦絵の舞台となった。時代小説「鬼平犯科帳」(池波正太郎著、文春文庫)第8巻第1話「用心棒」でも、境内からの眺めは「江戸湾の空も海も、霞(かすみ)に溶けている」景勝の地として描写されている。

 「用心棒」の主人公、浪人の高木軍兵衛は海岸沿いの小高い土手道を歩き、洲崎弁天に赴く。古地図を見ると、土手道は長さ約550メートル、幅約55メートルの緑地帯のほぼ中央に築かれ、草原と砂浜、海が眼前に望める長い参道でもある。

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